Quantcast
Channel: 全日本少林寺気功協会 »世界伝統武術大会 出場者の感想 
Viewing all articles
Browse latest Browse all 8

-解説~秦先生の談話から-

$
0
0

私たちの武術教室の特徴は、老若男女を問わず、また武術の経験の有無に関わらず皆一緒に練習出来る点にあります。本来少林寺武術の体得は、幼少の頃より過酷な鍛錬を積み重ね、心身ともに強靭であることが前提。ピークは10代~20代前半で、それ以上の年齢から始めても本格的な習得は困難とされています。
しかし、秦先生は内的修練(気功)を伴う武術には、もっと深い意義と可能性があると洞察され、その実践と体得の場として広く門戸を開放し、この武術教室を提供して下さっています。
事実、私達の団体から今回の大会に出場された方々は、武術の経験が皆無の人や、年齢が30代40代、また女性など、(一般的に言って)条件的に不利と思われる方が大半。ところが、皆さん素晴らしい成果を得ていらっしゃいました。 どうしてそのような好結果を実現できたのでしょう?
この点について、秦先生の談話から「5つのポイント」をご紹介し解説とさせていただきます。
(※筆者の未熟の故に、先生の意図を充分にお伝え出来ていない点は、どうぞご容赦下さい)
(1)気功による心身の鍛練  武術やスポーツ経験が無かったり、浅かったりしても、指導員クラス等を受講されて、気功の修練を続けてきた方は、知らず知らずの内に体が鍛えられ、身体能力が高まっています。そういう人は突然武術のクラスに参加しても練習をこなすことができ、また上達も早い。目に見えない部分で基礎的条件が普通の人に比べて揃っているため、直前の短期集中練習であっても結果を出せたのです。

(2)参加決定の経緯    表演は実践的武術とは別な面があります。こうした大会では、例えば本物の武術の大家が出場しても、採点基準に合わなければ点数が低くて勝てない、そういう事が起こり得る。実践だったら誰も叶わない、でも限られた基準では評価が出ないわけです。ですから、採点基準のポイント、クラス分けの仕方、等々そうした点を良く考慮した練習が必要になります。そうすれば入賞の可能性もあるわけです。今回は事前に良く主催側と連絡を取り入念に検討した結果、入賞も射程距離にあると判断して参加を決めました。

(3)表演の機会と練習場所の提供  日本では、個人で武術の練習が出来るスペースが少ないので、協会として可能な限り施設を借りて練習場所を提供しました。 また、9月に開催した協会10周年記念大会やNPOのイベント等、個人・団体共実際的な表演経験を積む機会を設定しました。これが有効だったと思います。個人では一定の条件の揃った練習場所の確保や、試験的な表演の機会をタイミング良くスケジュールに組み込むことは難しかったでしょう。

(4)表演種目の選定  今回少林拳では主に伝統的な型(六合拳・金剛拳・心意拳など)を選びました。これらは、剛健かつ素朴・実践的な味わいで、比較的華美なところが少ないものです。例えば羅漢拳などでは、旋風脚のような技は華麗ですが高い脚力・跳躍力を求められます。一般的に女性やある程度の年齢の人は、相当に練習し体力をつけないと難しい。こうした型の選別も、様々な肉体的条件を配慮して行いました。
また団体では内功拳を設定しました。これは内容的に3大動功に通じ、普段の練功の成果をそのまま生かすことが出来ます。そうした種目選定の配慮、これも大事でした。

(5)皆さんの努力  もちろん、皆さんの一所懸命な努力がなかったら、どんなに条件を整えても良い結果は得られません。今回は、上に記したようなさまざまな角度からの準備、配分、調整、工夫といったことが背景にあって、その上で参加者の一人一人がよく練習に励んだ。この両者があってはじめて多数の入賞という結果につながったと思います。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 8

Latest Images

Trending Articles





Latest Images